五藤佑典『Atomic Design ~堅牢で使いやすいUIを効率良く設計する 』を読んだ

Atomic Design ~堅牢で使いやすいUIを効率良く設計する

Atomic Design ~堅牢で使いやすいUIを効率良く設計する

Atomic Designの考え方、具体的な手順、Reactを使った実装といった内容が書かれている本。Reactのコードをベースに話が進んでいくし、テストの話にも多くのページが割かれているので、エンジニア向けの本だとは思う。コードが分からないとデザイナーによってはモヤモヤするかもしれない。堅牢性や効率性という観点でエンジニアの考え方を知ることは、仕事をうまく進めるのに役に立つ。いちど手にとってみても悪くはないと思う。

個人的にはReactに触るのが初めてなので、ReactによるAtomic Designの実践の様子が見れたのがまず良かった。それから、レイアウトパターンもコンポーネント化しましょう、という視点が面白かった。後者については、正直そこまでやるのかという感想ではあるのだけど、うまく取り入れられる場面も確かにありそうだなと思うところもあり、いちど試してみたいと思った。

Atomic Design自体については大きなコンセプトは同意なのだが、エンジニアリングに引きづられて過度な共通化をした結果、CSSの複雑性を生んでしまうことはないかが少し気になっている。Molecules層やOrganisms層が綺麗に作れると良いのだろうか。CSSを書く場所を失敗しなければ大丈夫なのでは?など、実践しながら考えたいと思う。

ハロー風景『お茶』

f:id:murata_s:20180408212257j:plain

ハロー風景の新刊『お茶』のデザインをしましたのでご紹介です。

伊勢のアトリエで日々描かれる、土の匂いのするどこか不思議な絵画。東京のリノベーション戸建の、お茶のある小風景。この二つが、紙の上でハローします。牧歌的なようで、都会的なようで、ふと生まれる空白にうるおいを感じる、そんな本に仕上がりました。

作家のLena Fujimotoさんの絵と寸さんの文とで構成された一冊です。Amazonやいくつかの書店でお取り扱いいただいています。絵も文も心地良く、本棚に飾りたい本になりました。

今回の題字は、Lenaさんの絵の雰囲気に馴染むかたちを探して幾度も「お茶」と書き続けているなかで生まれた文字。そろそろ休憩しようかなと力を抜いたときに生まれました。お茶っぽいですね。力が抜けているようで抜けていなくて個人的にも気に入っています。

画集としての側面もありますので絵のページはオーソドクスなレイアウトでまとめています。文のページはアーシーなベタ面に白抜きのデザインとなりました。

お茶 - ハロー風景

安部龍太郎『等伯』を読んだ

等伯 上 (文春文庫)

等伯 上 (文春文庫)

等伯 下 (文春文庫)

等伯 下 (文春文庫)

日本画に最近興味が出てきているというのもあって、この本を手にとってみたのだが、これが面白かった。時代小説はこれまで読んだことがなかったのでそういう点でも新鮮だった。

等伯の生涯をなぞるような構成で、故郷の七尾と主な舞台でもある京都や堺での画業に打ち込む様子が綴られている。自分に負けそうになるところを堪えて超えていくシーンや、生き方について葛藤しているシーンが印象的だった。身の危険と隣り合わせの環境が、画家のキャリアの難しさと重なる。自分勝手なところもあるけど男らしいところもあって、この小説に出てくる等伯の人柄は結構好きだった。

テストに出るかもしれないので代表作は覚えておこう。

  • 『日堯上人像』本法寺蔵
  • 『山水図襖』圓徳院蔵
  • 『利休居士像』不審菴蔵
  • 『楓図』智積院蔵
    • 智積院には旧祥雲寺障壁画として他に4枚ある
    • 智積院には息子久蔵の『桜図』もある
  • 『松林図屏風』東京国立博物館蔵
  • 『仏涅槃図』本法寺蔵
    • 通常複製の展示だが春季特別寺宝展は等伯の正筆が見れる

自分が京都市内に住んでいるというのもあって、身近な通りや何度か訪れているお寺が登場してくると風景とか位置関係がイメージできて面白かった。読み終えたら聖地巡礼をしようと企てていたので機会をみつけて行ってみようと思う。本法寺、大徳寺、智積院にまずは行こうと思う。

時代小説というものに興味が出たのですこし広げてみようと思った。まずは本書でも出てきた狩野永徳、豊臣秀吉、千利休あたりを探してみようかな。

水泳を再開して10ヶ月

f:id:murata_s:20180318173814j:plain

自分が意識的に、継続的にスポーツに取り組んでいることがまず久しぶりである。スポーツの思い出といえば、中学のサッカー部でボールを蹴っていた頃がやはりいちばん身体を動かしていた(しかし抜群に下手であった)。それから大学へ通いだして、勉強の息抜きに家の近所をたまに走っていたくらいで、息抜きというからには特に目標もなく、いつもの風景を見ながら、考え事をしながら、気だるさが吹き飛ぶまで、のんびり一周して帰ってくるというくらいだった。次第にデザインにのめり込んで疎遠になっていった。

近頃体力の衰えが気になりだした。ランニングを再開してはみたが、人通りがなく信号もない山道を走っていた頃とは違い、街中は走りにくい。かといって、わざわざ走りやすい場所にまで行くのも気が進まず、別の種目を探してみることにした。そこで幼少期からなんとなく疎遠になっていた水泳を試してみたところ、これはなかなか良いのではと思えた。

同じコースを行ったり来たりして、最初は退屈に思えたのだが、回数を重ねるごとに楽しくなってきた。楽しみ方を覚えたというのか、次から次へと試してみたいことが出てくるようになった。今ではGoogle Calenderで週に2回の繰り返しイベントも登録して、継続的に通うようになっている。泳ぐことが生活の一部になりはじめて、次を楽しみにする感覚はこれまでの自分のスポーツ経験の中にはあまりなかったものだったので、驚いている。

寄藤文平『デザインの仕事』を読んだ

デザインの仕事

デザインの仕事

本書は、デザイナーである寄藤氏の経験談や実際の仕事内容に触れながら、氏のデザインに対する考え方に触れられる本。自分のいる業界にはない文化の話もそうだし、プロジェクトの紹介だけで終わってしまう本が少なくない中、一人のデザイナーとして何が良くて何が良くないとするかという物差しを知れたのが良かった。

博報堂時代の話も含め、その時その時に考えている<なんか違う感>とそれに対する選択のエピソードは、共感するところが多かったし参考になる点が多かった。イラストレーション自体を売るのではなく、視点を変えてイラストレーションのモジュールを売ろうとしたり、シリコンバレーの姿勢に学んで賞には目もくれなかったりとその姿勢がなんか良いなと思ったりも。

レバレッジとイクオリティのバランスの話では、他のデザインと差をつけるという感覚に気づいて、ストーリーの話では、たしかに自分も最近気にしてるなと共感した。そのほかにも色々とデザインの仕事のヒントを得られた。