ハロー風景『お茶』

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ハロー風景の新刊『お茶』のデザインをしましたのでご紹介です。

伊勢のアトリエで日々描かれる、土の匂いのするどこか不思議な絵画。東京のリノベーション戸建の、お茶のある小風景。この二つが、紙の上でハローします。牧歌的なようで、都会的なようで、ふと生まれる空白にうるおいを感じる、そんな本に仕上がりました。

作家のLena Fujimotoさんの絵と寸さんの文とで構成された一冊です。Amazonやいくつかの書店でお取り扱いいただいています。絵も文も心地良く、本棚に飾りたい本になりました。

今回の題字は、Lenaさんの絵の雰囲気に馴染むかたちを探して幾度も「お茶」と書き続けているなかで生まれた文字。そろそろ休憩しようかなと力を抜いたときに生まれました。お茶っぽいですね。力が抜けているようで抜けていなくて個人的にも気に入っています。

画集としての側面もありますので絵のページはオーソドクスなレイアウトでまとめています。文のページはアーシーなベタ面に白抜きのデザインとなりました。

お茶

ハロー風景 お茶

ハロー風景 お茶

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安部龍太郎『等伯』を読んだ

等伯 上 (文春文庫)

等伯 上 (文春文庫)

等伯 下 (文春文庫)

等伯 下 (文春文庫)

日本画に最近興味が出てきているというのもあって、この本を手にとってみたのですがこれが面白かった。時代小説はこれまで読んだことがなかったのでそういう点でも新鮮でした。

等伯の生涯をなぞるような構成で、故郷の七尾と主な舞台でもある京都や堺での画業に打ち込む様子が綴られています。自分に負けそうになったり生き方について葛藤していたりします。身の危険と隣り合わせの環境が、画家のキャリアの難しさと重なって(小説だからってのもありそうですが)ドラマチックな人生だなという感想を抱きました。自分勝手なところもあるけど力強い意志を感じる人柄は個人的に好きなかんじです。

テストに出るかもしれないので代表作は覚えておきたいですね。

  • 『日堯上人像』本法寺蔵
  • 『山水図襖』圓徳院蔵
  • 『利休居士像』不審菴蔵
  • 『楓図』智積院蔵
    • 智積院には旧祥雲寺障壁画として他に4枚ある
    • 智積院には息子久蔵の『桜図』もある
  • 『松林図屏風』東京国立博物館蔵
  • 『仏涅槃図』本法寺蔵
    • 通常複製の展示だが春季特別寺宝展は等伯の正筆が見れる

自分が住んでいる町が舞台となる小説は風景がイメージできて深みが増しますね。小説自体の楽しみもあるけど、土地の歴史を知って愛着がわきます。時代小説というものに興味が出たのですこし広げてみようとも思いました。まずは本書でも出てきた狩野永徳、豊臣秀吉、千利休あたりを探してみようかなと考えています。

水泳を再開して10ヶ月

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水泳を再開して10ヶ月経ちました。毎日泳いでいるわけではありませんが、自分が意識的にスポーツに取り組んでいるというだけで珍しい。まともに体を動かしていたのが中学校の部活動でサッカーをしていた頃なので、10年くらいはたいした運動はしてこなかったということです。大学へ通いだして、勉強の息抜きに家の近所をたまに走ってはいましたが、息抜きというからには特に目標もなく、いつものコースをのんびり一周して帰ってくるというくらいでした。次第にデザインにのめり込んで疎遠になってしまいました。

近頃体力の衰えを感じることが増え、疲れやすくなったし健康診断の結果はすこし気になるしで、とりあえずランニングを再開してはみたのですが、人通りがなく信号もない山道を走っていた頃とは違い街中は走りにくい。かといって、わざわざ走りやすい場所にまで行くのも気が進まず、別の種目を探してみることにしたのです。そこで幼少期からなんとなく疎遠になっていた水泳を試してみたところ、これはなかなか良いのではと思えたのでした。

同じコースを行ったり来たりして、最初は退屈に思えたのですが、回数を重ねるごとにだんだんと楽しくなってきました。楽しみ方を覚えたというのか、次から次へと試してみたいことが出てくるようになりました。今ではGoogle Calenderで週に2回の繰り返しイベントも登録して、継続的に通うようになっています。泳ぐことが生活の一部になりはじめて、次を楽しみにする感覚はこれまでの自分のスポーツ経験の中にはあまりなかったものだったので、驚いています。上を見ればいくらでも上手な人はいますが自分のペースで続けられたら良いなと考えています。

寄藤文平『デザインの仕事』を読んだ

デザインの仕事

デザインの仕事

本書は、デザイナーである寄藤氏の経験談や実際の仕事内容に触れながら、氏のデザインに対する考え方に触れられる本です。デザイナーの友人からのお薦めで手に取ってみました。自分のいる業界にはない文化の話もそうだし、プロジェクトの紹介だけで終わってしまう本が少なくない中、一人のデザイナーとして何が良くて何が良くないとするかという物差しを知れたのが良かったです。

博報堂時代の話も含め、その時その時に考えている<なんか違う感>とそれに対する選択のエピソードは、共感するところが多かったし参考になる点が多かった。イラストレーション自体を売るのではなく、視点を変えてイラストレーションのモジュールを売ろうとしたり、シリコンバレーの姿勢に学んで賞には目もくれなかったりとその姿勢がなんか良いなと思ったりもしました。

レバレッジとイクオリティのバランスの話では、他のデザインと差をつけるという感覚に気づけたし、ストーリーの話では、たしかに自分も最近気にしてるなと共感しました。そのほかにも色々とデザインの仕事のヒントを得られたので良かったです。