五藤佑典『Atomic Design ~堅牢で使いやすいUIを効率良く設計する 』を読んだ

Atomic Design ~堅牢で使いやすいUIを効率良く設計する

Atomic Design ~堅牢で使いやすいUIを効率良く設計する

Atomic Designの考え方、具体的な手順、Reactを使った実装といった内容が書かれている本。Reactのコードをベースに話が進んでいくし、テストの話にも多くのページが割かれているので、エンジニア向けの本です。堅牢性や効率性という観点でエンジニアの考え方を知ることは、仕事をうまく進めるのに役に立つので、デザイナーもいちど手にとってみても悪くはないと思います。

個人的にはReactに触るのが初めてなので、ReactによるAtomic Designの実践の様子が見れたのがまず良かった。それから、レイアウトパターンもコンポーネント化しましょう、という視点が面白かった。後者については、正直そこまでやるのかという感想ではあるのだけど、うまく取り入れられる場面も確かにありそうだなと思うところもあり、いちど試してみたいと思いました。

現にウェブのCSSの設計でも同様の手法を取り入れて仕事をしているので、Atomic Design自体の大きなコンセプトは理解でき、同意ですが、エンジニアリングに引きづられて過度な共通化をした結果、CSSの複雑性を生んでしまうことはないかとかが少し気になった点です。Molecules層やOrganisms層が綺麗に作れると良いのだろうか。CSSを書く場所を失敗しなければ大丈夫なのでは?など、実践しながら考えたいと思います。

ハロー風景『お茶』

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ハロー風景の新刊『お茶』のデザインをしましたのでご紹介です。

伊勢のアトリエで日々描かれる、土の匂いのするどこか不思議な絵画。東京のリノベーション戸建の、お茶のある小風景。この二つが、紙の上でハローします。牧歌的なようで、都会的なようで、ふと生まれる空白にうるおいを感じる、そんな本に仕上がりました。

作家のLena Fujimotoさんの絵と寸さんの文とで構成された一冊です。Amazonやいくつかの書店でお取り扱いいただいています。絵も文も心地良く、本棚に飾りたい本になりました。

今回の題字は、Lenaさんの絵の雰囲気に馴染むかたちを探して幾度も「お茶」と書き続けているなかで生まれた文字。そろそろ休憩しようかなと力を抜いたときに生まれました。お茶っぽいですね。力が抜けているようで抜けていなくて個人的にも気に入っています。

画集としての側面もありますので絵のページはオーソドクスなレイアウトでまとめています。文のページはアーシーなベタ面に白抜きのデザインとなりました。

お茶

ハロー風景 お茶

ハロー風景 お茶

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安部龍太郎『等伯』を読んだ

等伯 上 (文春文庫)

等伯 上 (文春文庫)

等伯 下 (文春文庫)

等伯 下 (文春文庫)

日本画に最近興味が出てきているというのもあって、この本を手にとってみたのですがこれが面白かった。時代小説はこれまで読んだことがなかったのでそういう点でも新鮮でした。

等伯の生涯をなぞるような構成で、故郷の七尾と主な舞台でもある京都や堺での画業に打ち込む様子が綴られている。自分に負けそうになったり生き方について葛藤していたりします。身の危険と隣り合わせの環境が、画家のキャリアの難しさと重なってドラマチックな人生だなという感想を抱きました。自分勝手なところもあるけど力強い意志を持つような人柄は個人的に好きなかんじです。

テストに出るかもしれないので代表作は覚えておきたいですね。

  • 『日堯上人像』本法寺蔵
  • 『山水図襖』圓徳院蔵
  • 『利休居士像』不審菴蔵
  • 『楓図』智積院蔵
    • 智積院には旧祥雲寺障壁画として他に4枚ある
    • 智積院には息子久蔵の『桜図』もある
  • 『松林図屏風』東京国立博物館蔵
  • 『仏涅槃図』本法寺蔵
    • 通常複製の展示だが春季特別寺宝展は等伯の正筆が見れる

自分が住んでいる町が舞台となる小説は風景がイメージできて深みが増しますね。小説自体の楽しみもあるけど、土地の歴史を知って愛着がわきます。時代小説というものに興味が出たのですこし広げてみようとも思いました。まずは本書でも出てきた狩野永徳、豊臣秀吉、千利休あたりを探してみようかなと考えています。