『リーダブルコード』(ダスティン・ボズウェル/トレバー・フォシェ)を読んだ

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

  • 作者: Dustin Boswell,Trevor Foucher,須藤功平,角征典
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2012/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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書名にもあるように、より良いコードを書くためのテクニックが書いてある。自分はデザイナーだけれど、この本の評価が高く、人が薦める理由が分かった気がする。とても良かった。プログラミングに関しては初心者みたいなものなので、最初から最後まで学ぶところが多かった。特別難しいところはなかった。

この本では基本的なコードの書き方が学べた。知っていることもあれば知らないこともあったが、特に次の内容が印象に残っている。

  • 名前の付け方(情報を詰め込む、誤解されない名前)
  • コメントの仕方(必要なコメント、不要なコメント、
  • 制御フローを読みやすくする
  • 無関係の下位問題を抽出する

基本的なことが大事。本書を読み終わって、続きではないけれど、リファクタリングの手法について深めてみたいと思った。

Thought

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はてなブログのテーマを約2年半ぶりに公開しました。個人で投稿したテーマとしては2つ目です。名前は『Thought』としました。

はてなブログのデフォルトテーマを私がデザインするなら…という気持ちで作ったテーマ。文字がすこし大きめなので、考え事をしたためたり、ニュアンスのある文章を載せるのに良いかもしれません。

テーマ説明ではこんなことを書いたのですが、裏コンセプトとしては、1カラムで自分が使いたくなるものをつくる、というのがありました。個性があったり自分に馴染んでいないテーマだとやっぱり飽きがきて、そのうち手を入れたくなってきてしまうんですよね。でもブログという場所では、それすら忘れてコンテンツに本当に集中したいなと思って。それで、できるだけニュートラルな、ノイズの少ないテーマをつくりました。

なので、クリエイティブとして尖ったことはありません。エントリー本文のコンテンツが綺麗に並ぶように意識して作りました、というのが唯一の宣伝ポイントです。自分で使っている中で違和感を感じる部分があれば都度アップデートしていきます。

今回からSassをGitHubで公開しています。隠すものでもないし、自分以外のテーマ開発者の方の参考になる部分があれば良いなという思いです。もし良かったらご利用ください。

このブログテーマを使う

安宅和人『イシューからはじめよ』を読んだ

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

本書には優れた知的生産をするための考え方と方法論が書いてある。身の回りの人がみんな読んでいる様子を耳にし、いつか読まなければと思い始めて10ヶ月もの月日が経ってしまった。やっと読み終わりました。考える技術・書く技術で問題をロジカルに解いていくような考え方は知ってはいたけれど、本書からは別の視点で問題への向き合い方について、いくつか新たな気づきを得ることができた。個人的に学びがあった部分を取り上げておく。

バリューのある仕事

著者はイシュー度が高く、また解の質も高い仕事のことをバリューのある仕事としている。イシュー度の低い問題ばかりを片付けていてもそれは大した価値にはならないので、イシュー度の高い問題をまずは見極めることが大事だという。細かな分かりやすいタスクは手をつけやすくもあるので、つい手を出してしまいがちだけど、少しでも時間を作ってどのタスクに時間を割くべきかをまずは検討する大事さを再認識しました。そして、イシューの定義にはなるほど感があった。

issueの定義
A)2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
B)根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
イシューからはじめよ p.25

めちゃめちゃ難易度は高いけれどそれだけ価値も高い。

分析とはなにか

自分の過去を振り返ってみると定量的な分析をまともにやったことがないということに気づいた。当然具体的な分析手法もよく知らない。著者は、分析とは「比較、すなわち比べることである」と説いている。ただ漠然と比べるだけでなく、比較の結果に意味が見いだせるように作り込んでいくという考え方が良かった。データを並べるだけで満足しがちなところに、意味のあるメッセージを付け加えていく。データの切り口を見直す。

面白かったです。定量分析の具体的な考え方を知りたくなりました。

アラ・コルマトヴァ『Design Systems』を読んだ

Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド

Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド

  • 作者: アラ・コルマトヴァ,佐藤伸哉,株式会社Bスプラウト
  • 出版社/メーカー: ボーンデジタル
  • 発売日: 2018/12/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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デジタルプロダクトのデザインがうまく機能し長持ちするように、デザインをシステムと捉え管理するアプローチとして、本書ではデザインシステムが紹介されています。デザインシステムはUIコンポーネントやビジュアルデザインに秩序を与え、プロダクトが一貫した振る舞いを実現していくための実践的なガイドラインです。

挙動や見た目の一貫性はユーザーに信頼感や安心感を抱いてもらうための重要な性質のひとつですが、チームで共有言語なしにそれを維持し続けるのはなかなかに難しいことだと思います。何かしらの方法で文書化されていたとしても、コアな部分だけだったり細かなレギュレーションへの言及がなかったりといった状況もよくあることだと思います。

このデザインシステムは、何を言語化しておけばメンバーとの価値観の共有が進んで、円滑な共同作業が可能になるかを考えるヒントになりそうで、デザインのガイドラインを作成する前に目を通しておくと良さそうです。

原則

原則は数あるコンポーネントの中からどれを選び、またどのようなスタイリングをするのかという判断の拠り所となる価値観です。もちろんプロダクトの性質に左右されにくいデザイン行為自体の原則もあるでしょうし、そのブランドの在り方を体現するような原則もあるだろうと思います。ここでは主に後者の原則を取り扱っています。

私が良いなと思ったのは、原則の優先順位も明文化しておきましょうということでした。例えばあるデザインを検討しているとき、使いやすさと新規性のどちらをとるかという問題が発生したとします。このとき両方を選べるのならばそれが良さそうですが、何らかの理由で一方しか選べない場合に、どちらを取る判断をするかでそのプロダクトの印象は大きく左右されてしまいます。原則の優先順位が定義されていれば、自ずとどちらを取るべきかが分かります。

個々人の価値観でその場その場で選んでいると、プロダクトが大事にしている価値観と成果物に現れている価値観とにブレが生じて、ユーザーへの見え方の一貫性を保つことができなくなってしまいます。ブランドの理解が足りないから、意識合わせが不十分だからブレるのではないかという意見も出てきそうですが、基本的な表現のベクトルをあわせるという意味で、あとから参照できるように原則が明文化されていることの価値は高そうです。ディティールのブレを抑えるためには、機能パターンと認知パターンが活用できます。

機能パターンと認知パターン

機能パターンと認知パターンは、原則のような概念的なものから一歩踏み込んで具体的にまとめられたガイドラインです。機能パターンでは、タイトル、要約文、投稿日時といったようなそのパターンで利用される情報とレイアウトの仕方を定義します。認知パターンでは、ビジュアルデザインとしてのルール(色、形タイポグラフィ…)を定めます。

システムの範囲

デザインシステムは便利ですが、何でもかんでもパターン化していくことがゴールではありません。プロダクトの性質に応じて導入の仕方はそれぞれで、厳格に取り入れていく必要に迫られることもあるし必要最低限で足りることもあります。ガチガチにルールが決まってしまうと堅苦しくつまらなくなってしまうし、何も定まっていなければ自由がありすぎます。

デザインシステムは一つのフレームワークとしてそれぞれのチームでアレンジして使うものです。本書ではAirbnbとTEDの違いが分かりやすく取り上げられていました。

  • どの程度厳格にパターン化していくのか(ルール)
  • コンテキストをどの程度加味するか(部品)
  • 特別に管理する部門や人がいるのか(組織)

これらはどのように運用するかを考える上で気にしておきたい項目です。

私が担当プロダクトのデザインシステムに関する文書を整備したときには、まずこのシステムの範囲を書きました。どの程度の温度感でデザインシステムを運用していけば良いのかを自分自身も含めて明確にしておきたかったからです。

リズ・ワイズマン/グレッグ・マキューン『メンバーの才能を開花させる技法』を読んだ

メンバーの才能を開花させる技法

メンバーの才能を開花させる技法

  • 作者: リズ・ワイズマン,Liz Wiseman,グレッグ・マキューン,Greg McKeown,(序文)スティーブン・R・コヴィー,Stephen R. Covey,関美和
  • 出版社/メーカー: 海と月社
  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書は、組織の中での良きリーダーの振る舞いとはなにかを、著者らが150人の推薦者(リーダーと共に働き彼らを深く知る者)へのインタビュー結果を踏まえて考察した本です。メンバーを活かすリーダーを「増幅型リーダー」、他方を「消耗型リーダー」と呼んで、それぞれの典型的な振る舞いを対比し、またその効能が示されています。大雑把に言うと、リーダーの振る舞いによって、リーダーと部下との関係性が決まり、部下の力を大きく開放したり、抑えつけてしまったりする、その結果ビジネス的な結果を残せたり残せなかったりする。今すぐあなたも増幅型リーダーになりましょうという事が書いてあります。

本書ではリーダーの話がなされるわけですが、文字通りの組織のリーダーだけでなく、もっとカジュアルな関係――メンターとメンティー、教師と学生、親と子といったような関係においても参考になる部分が多いと思います。

実体験としても、チームのリーダーが変わっただけで仕事のパフォーマンスが大きく左右されてしまった経験をしたことがあるのですが、翻って自分がメンターという立場になったとき、かつて自分が感じたようにメンティーをがっかりさせたくない、自分を超えるような成長をしてほしいと思い、復習する気持ちで手に取ってみた本でした。分かりやすくまとまっているので、自分の中に行動の規範を持つことができるのがおすすめのポイントです。

さて、本書で言うところの増幅型リーダーと消耗型リーダーの違いについては、第7章に見やすい表がありましたので、まずはこれを心に留めておけば十分だと思います。書籍の中ではこれらが具体的にイメージできるように事例を交えて話が進んでいきます。

目標 消耗型リーダーの思い込み 増幅型リーダーの思い込み
才能のマグネット メンバーは私に報告義務があり、自分が命令しなければなにもできない メンバーのなかに才能を見つければ、それを活用できる
解放者 上からの圧力が業績を上げる 最高のアイデアは自発的に生まれるもので、もぎ取るものではない
挑戦者 自分がすべての答えを知っていなくてはならない 挑戦することで、人は賢くなる
議論の推進者 耳を傾ける価値のある人は少ない みんなが協力すれば、問題が解決できる
投資家 私がいなければ、メンバーは問題を解決できない メンバーは有能だから、自分で解決策を見つけられる

『メンバーの才能を開花させる技法』p.264

読んでいると自分は消耗型リーダーの振る舞いをしていることがあるのでは?と心配になってくるのですが、ごく少数の人を除けば、大多数の人はいずれの特徴も持っていて、増幅型と消耗型の間のどこかにいるらしいです。またその時の状況や関係性にも影響を受けると思いますし、心配しすぎることはなさそうです。メンバーの知性や能力を引き出せるリーダーになりたいですね。