伊藤守『コーチング・マネジメント』を読んだ

コーチング・マネジメント―人と組織のハイパフォーマンスをつくる

コーチング・マネジメント―人と組織のハイパフォーマンスをつくる

良いコーチに備わっているコンピタンシーとはどのようなものなのかを学べる書籍でした。実践的なコーチングのスキルも大事ですが、その背景にある考え方を知ることができたのが良かったです。自分より若いデザイナーの成長を支援するためにできることはないかと思い手にとってみたのですが、案の定様々な学びがありました。やはりスキルに関しては、いくら頭に入れたとしても場数を踏まないことには伸びていかないと思うので、ひとつずつ挑戦かなと思います。

クライアントの技能や職務、コーチングしようとする領域によってコーチングが機能するかどうかが変わってくるそうです。それもそのはずで、基礎的な知識や技能がある一定以上ないと、行動を促されたとしても実際の行動までつながらない場合もあるでしょうし、高度な技能が必要な仕事に取り組もうとしているときは具体的に教えていったほうが現実的な場合もあります。

なんとなくティーチングよりもコーチングのほうが高尚な行いのようなイメージがあったのですが、どちらも大事だよなと、最終的には認識しています。自分の場合だと、基本的には仕事上のメンター・メンティーの関係でどうするかという話になるので、同じ職種の相手をみているからでしょうか、コーチングの態度だけでは仕事を進めるのにはちょっともの足りないという感覚です。小並感ですが、要は塩梅で、コーチングの姿勢をベースにしつつも、目の前の状況で使い分けていくのがいいのかなと思っています。実践しながら自分のスタイルを徐々に作っていきたいところです。

読書メモ

  • ゴルフを教えないゴルフコーチ
  • 考え方ややり方に直接関わるというよりは環境を整えることに注意を向ける
  • オートクラインとパラクライン
  • パーソナルOS
    • 変える必要のないOSは、性格、価値観、タイプ、ハイパフォーマンス・パターン
    • バージョンアップできるOSは、ものの見方、ものの捉え方
  • WHYはクローズドクエスチョンに用いられることが多い。そこで、HOWやWHATを使う
    • WHATは潜在的な問題をはっきりさせることができる
    • HOWは潜在的な問題に焦点を当てて、発展させることができる
  • チャンクアップとチャンクダウン
  • 目標設定の検証
    • 外部基準をはっきりさせる
    • 目標に向かう過程で何を学ぶことができるか
    • 目標に向かう過程でどんな体験をするか

じゃじゃーんをやめる

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日頃デザイン案をどの段階で他者に見せていますか。僕は最近、途中でもできるだけ早い段階でチームメンバーにデザイン案をオープンにしていくということを試してみています。

具体的には、Adobe XDでウェブデザインのモックアップを作成しているのですが、プレビューのシェアURLをグループウェアやGitHubのIssueに貼っておくというものです。翌日には新しいボタンが増えているかもしれないし、一週間後にはガラッと印象が変わってるかもしれない、という断りも添えて。

最初からほぼ最終の段階まで誰にも見せずに、多くの時間をかけてからできましたとメンバーに見せること。これをじゃじゃーんと呼んでいます。これはチームで仕事をしていく上では次の点からアンチパターンでしょう。

  • 向かう方向が見当違いだった場合に手戻りが多く発生する
  • 他者からみると順調なのか困っているのかわからない
  • 他者の仕事をブロックする可能性がある

ただ、人それぞれにペースがあるでしょうから、ある程度手元で温めることは何ら問題がないとは思います。僕も数週間の間、アイデアを秘密にしておいて、温めているケースはあります。

では、じゃじゃーんをやめて、早い段階でデザイン案をオープンにすることにはどんなメリットがあるのでしょうか。

じゃじゃーんをやめるメリット

最終的なアウトプットさえよければ、正直どんなプロセスであっても良いと思いますが、それでも早い段階からデザイン案をオープンにしていくことは、それをしないことに比べてメリットが多いと考えています。

  • 見当違いのものを考えることに時間を使ってしまうことを防げる
  • 何が良くて何が良くないかのデザイン品質に関する対話が増える
  • 他職種の視点からデザインの過不足について意見が集まる
  • デザインのプロセスにチームメンバーが参加することで「チームでプロダクトを作った」というストーリーが生まれ納得感が強まる
  • 人に見られている感覚が強まり、自分をモチベートできる
  • 案を練っている間、他者から見て何をしている人なのかわからない状態を減らせる

テクニカルなものから仕事の進め方まで様々なメリットを日々感じています。

じゃじゃーんをやめるリスク

逆に早い段階からオープンにすることは、デザイナー視点でいくつかのリスクがあるかもしれません。

  • 他者の意見に揺さぶられてデザインが丸くなってしまうリスク
  • デザイナーの主体性が失われてしまうリスク
  • 不本意なコミュニケーションコストが発生してしまうリスク

これらは仕事の進め方やメンバーとの関係性の中で、うまく立ち回ることができれば問題にならないものでもあります。

必ずしも0か1かにこだわる必要はありませんので、どのくらいオープンにしていくことが自分にとって最もパフォーマンスが出せるのか、ちょうど良い塩梅を見つけてみてください。

ちなみに受託案件の場合、クライアントに対してあまりにも早くから共有してしまうと、逆にネガティブな印象を与えてしまう場合があるかもしれないので注意が必要です。目に見えるものは独り歩きしやすく、デザイナーにとってのスケッチが最終成果物のイメージと捉えられてしまう事があるからです。これはプロジェクトの状況やクライアントとの関係性に応じて上手に処理する必要があります。

  *

効率的なデザイン活動とより高品質なデザインを目指すならば、デザインのプロセスをオープンにして他者と対話する機会を増やしてみましょう。最初は怖いかもしれませんが、様々な人の目に触れることで思いもしなかった意見が集まり、学びを得られます。何より人とデザインの話をするのは楽しいことですよね。

『リーダブルコード』(ダスティン・ボズウェル/トレバー・フォシェ)を読んだ

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

  • 作者: Dustin Boswell,Trevor Foucher,須藤功平,角征典
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2012/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 68人 クリック: 1,802回
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書名にもあるように、より良いコードを書くためのテクニックが書いてある。自分はデザイナーだけれど、この本の評価が高く、人が薦める理由が分かった気がする。とても良かった。プログラミングに関しては初心者みたいなものなので、最初から最後まで学ぶところが多かった。特別難しいところはなかった。

この本では基本的なコードの書き方が学べた。知っていることもあれば知らないこともあったが、特に次の内容が印象に残っている。

  • 名前の付け方(情報を詰め込む、誤解されない名前)
  • コメントの仕方(必要なコメント、不要なコメント、
  • 制御フローを読みやすくする
  • 無関係の下位問題を抽出する

基本的なことが大事。本書を読み終わって、続きではないけれど、リファクタリングの手法について深めてみたいと思った。

Thought

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はてなブログのテーマを約2年半ぶりに公開しました。個人で投稿したテーマとしては2つ目です。名前は『Thought』としました。

はてなブログのデフォルトテーマを私がデザインするなら…という気持ちで作ったテーマ。文字がすこし大きめなので、考え事をしたためたり、ニュアンスのある文章を載せるのに良いかもしれません。

テーマ説明ではこんなことを書いたのですが、裏コンセプトとしては、1カラムで自分が使いたくなるものをつくる、というのがありました。個性があったり自分に馴染んでいないテーマだとやっぱり飽きがきて、そのうち手を入れたくなってきてしまうんですよね。でもブログという場所では、それすら忘れてコンテンツに本当に集中したいなと思って。それで、できるだけニュートラルな、ノイズの少ないテーマをつくりました。

なので、クリエイティブとして尖ったことはありません。エントリー本文のコンテンツが綺麗に並ぶように意識して作りました、というのが唯一の宣伝ポイントです。自分で使っている中で違和感を感じる部分があれば都度アップデートしていきます。

今回からSassをGitHubで公開しています。隠すものでもないし、自分以外のテーマ開発者の方の参考になる部分があれば良いなという思いです。もし良かったらご利用ください。

このブログテーマを使う

安宅和人『イシューからはじめよ』を読んだ

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

本書には優れた知的生産をするための考え方と方法論が書いてある。身の回りの人がみんな読んでいる様子を耳にし、いつか読まなければと思い始めて10ヶ月もの月日が経ってしまった。やっと読み終わりました。考える技術・書く技術で問題をロジカルに解いていくような考え方は知ってはいたけれど、本書からは別の視点で問題への向き合い方について、いくつか新たな気づきを得ることができた。個人的に学びがあった部分を取り上げておく。

バリューのある仕事

著者はイシュー度が高く、また解の質も高い仕事のことをバリューのある仕事としている。イシュー度の低い問題ばかりを片付けていてもそれは大した価値にはならないので、イシュー度の高い問題をまずは見極めることが大事だという。細かな分かりやすいタスクは手をつけやすくもあるので、つい手を出してしまいがちだけど、少しでも時間を作ってどのタスクに時間を割くべきかをまずは検討する大事さを再認識しました。そして、イシューの定義にはなるほど感があった。

issueの定義
A)2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
B)根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
イシューからはじめよ p.25

めちゃめちゃ難易度は高いけれどそれだけ価値も高い。

分析とはなにか

自分の過去を振り返ってみると定量的な分析をまともにやったことがないということに気づいた。当然具体的な分析手法もよく知らない。著者は、分析とは「比較、すなわち比べることである」と説いている。ただ漠然と比べるだけでなく、比較の結果に意味が見いだせるように作り込んでいくという考え方が良かった。データを並べるだけで満足しがちなところに、意味のあるメッセージを付け加えていく。データの切り口を見直す。

面白かったです。定量分析の具体的な考え方を知りたくなりました。